ジョン〜獅子心王の後を継いだ欠地王〜

イングランド

ジョン、彼は欠地王の名で知られるイングランド王だ。

その勇猛な戦いぶりから獅子心王と呼ばれたリチャード一世の弟で、兄の後を継いでイングランド王となった。

しかし、数々の名声を手にした兄とは対照的にジョンは欠地王といわれてしまう。

欠地王と呼ばれた男の人生とはどのようなものだったのだろうか。


日本史の「その後」 眠れなくなるほどおもしろい [ 歴史雑学研究所 ]

John the Lackland

ジョンはイングランド王ヘンリー二世の末子として生まれた。

しばらくしてヘンリー二世は息子たちに領土を分配するが、当時まだ2歳だったジョンは領地をもらえなかった。

この時に父に付けられたあだ名が「John the Lackland(領地のないジョン)」だ。

なかなかにひどいあだ名だが、ジョンは息子たちの中で父に最も愛されていたという。

イングランド王になるための陰謀

その後父と兄の争いの中で最終的にリチャード一世が次のイングランド王になると、ジョンはその座を奪おうとする。

リチャード一世が第三回十字軍で遠征に行っている時、ジョンはフランス王フィリップ二世と手を組んでイングランド王の座を乗っ取ろうとする。

リチャード一世が十字軍からイングランドに帰ってくる時にオーストリア王レオポルト五世に捕らえられ幽閉された時、ジョンはリチャード一世が死んだと民衆に言って自身が次のイングランド王になろうとした。

しかし、これは民衆の大きな反対の声もあり実現しなかった。

その後もリチャード1世が解放されるのをフィリップ二世と一緒に引き延ばしたが、結局リチャード一世はイングランドに帰還する。

この時、フィリップ二世はジョンに手紙で「気を付けろ、悪魔は解き放たれた」と伝えている。

このジョンがイングランド王の座を乗っ取ろうとした陰謀は後にロビンフッドのストーリーなどにも取りいれられることになる。

獅子心王の後を継ぐ

イングランド王になり損ねたジョンだが、その後ようやく念願のイングランド王の座につくことになる。

リチャード一世が41歳の若さで死去したのだ。

リチャード一世には甥のアーサーがいたが、当時まだ幼かったため、リチャード一世はジョンを自身の後継に指名する。

こうしてイングランド王ジョンが誕生した。

しかし、リチャード一世が戦争に明け暮れお金をたくさん使ったため、そのツケがジョンの時に回ってくることになる。

ジョン欠地王

即位して間もなく、ジョンはフィリップ二世とリチャード一世の甥のアーサーと争うことになる。

この時にジョンはアーサーを捕らえて幽閉している。

その後アーサーの消息が絶たれたため、ジョンが殺したのではないかという噂が流れ、アーサーが治めていた領地のブリュターニュの民が本格的に反乱を起こし、フランスからも攻撃にあったため、ジョンは降伏し、イングランドの大陸での領地を大きく減らしてしまう。

その後もいくつかの戦争によって領地をさらに失ってしまう。

これらのことからジョンは後世に欠地王として語られることになってしまう。

マグナ・カルタ

リチャード一世は戦争をたくさん行ったため費用も絶大だった。

そのため民衆から税をたくさん徴収したが、その武勇と功績から民衆も耐えていた。

しかし、そんな民衆の不満もジョンの時に爆発してしまった。

戦争による度重なる税の徴収や領土の縮小による収入の減少などによって民衆の生活はますます苦しくなり、民衆は反乱を起こし内戦状態となった。

反乱が起こると政府の中にもジョンを見限るものが多く、ロンドンが制圧される。

そうして反乱を抑えることができなくなったジョンは民衆の要求に応じて、国王の徴税権の制限や法の支配が明記された大憲章マグナ・カルタを制定する。

マグナ・カルタを渋々受け入れたことはジョン王唯一の功績とされている。

欠地王死す

その後一度はマグナ・カルタを廃止して王の支配を強めようとしたが、またも民衆の反乱が起き、ジョンは内乱を沈めるために戦っている最中に赤痢によって死亡する。

ジョン王の死後次のイングランド王ヘンリー三世によって再びマグナ・カルタは制定される。

こうして生涯を終えた欠地王ジョンだが、後に「ロビンフッド」などの悪役として活躍することになる。

歴史に残るダメな王として知られることになってしまったが、一部の人からは愛され、親しまれている。

逸話 ジョンはジョン

ヘンリー二世やリチャード一世と聞いて違和感を持った人はいないだろうか。

なぜジョンはジョンというだけで一世や二世ではないのか。

それはあまりにもジョンがダメな王だったため、後のイングランド王で「ジョン」と名乗るものがいなかったからだといわれている。

名前までもが避けられるとはなかなかに可哀想な人物だが、唯一無二の名前となったので覚えられやすくなり、結果的には良かったのではないか。


一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた [ 山崎 圭一 ]
ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント

タイトルとURLをコピーしました