2人のブルータス

ローマ

ブルータス、お前もか。

この言葉を知っている人は多いだろう。

これは、シェイクスピアの「ジュリアス・シーザー」においてユリウス・カエサルが放った言葉だ。

信頼していた男に裏切られた衝撃によって放たれた言葉だ。

そして、その信頼されていた男の名は、マルクス・ユニウス・ブルータス。

彼と共謀者たちが行った暗殺は歴史に残る暗殺事件として有名だ。

だが、歴史に残るブルータスという男はもう1人いる。

彼の先祖であるルキウス・ユニウス・ブルータスだ。

これから、2人のブルータスについてお話していきたい。


一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書 公立高校教師YouTuberが書いた [ 山崎 圭一 ]

ルキウス・ユニウス・ブルータス〜共和制ローマを作った男〜

まずはルキウス・ユニウス・ブルータスだ。(以下はルキウスとする。)

ルキウスは、王政ローマを崩壊させ、共和制ローマを樹立した人物だといわれている。

ルキウスが生きた時代にローマを統治していた王は、

「傲慢王」といわれていたタルクィニウス・スペルブスだった。

スペルブスは義理の父であったセルウィウス・トゥッリウスを殺害して王位につき、その後も自身の邪魔をする多くの人物を殺したといわれている。

しかし、ルキウスはタルクィニウス家と親戚だったため、当初は王の味方だった。

だが、ルキウスが従軍している時にスペルブスの息子だったセクストゥス・タルクィニウスがルキウスの親戚であったルクレティアを凌辱したことを知る。

ルキウスはルクレティアから事情を聞きに行ったが、ルクレティアは一族の恥になったとして、ルキウスに事情を話した後に短剣で自殺してしまった。

ルキウスは血に濡れた短剣を拾い上げ、王政を崩壊させることを誓ったという。

ルキウスは王を追放し、その後もローマを奪還しようとするタルクィニウス家をたびたび撃退した。

そして、王政を復活させようとした自身の息子たちもを処刑したといわれている。

ルキウスは王を追放した後にローマ市民に王政を2度と認めないという誓いを立てさせ、これによって王政ローマは崩壊し、新たに共和制ローマが誕生した。

共和制ローマを誕生させた後、ルキウスは前王の息子であるアルンス・タルクィニウスと一対一で戦い、刺し違えた後に死亡した。

ルキウスが共和制ローマを誕生させた男だったからこそ、後に彼の子孫であるマルクス・ユニウス・ブルータスが皇帝になろうとしていたカエサル暗殺に誘われたともいわれている。

マルクス・ユニウス・ブルータス〜帝政ローマを作ってしまった男〜

マルクス・ユニウス・ブルータス(以下ブルータス)はカエサルを暗殺し、究極の裏切り行為をした人物だといわれている。

そして彼は皮肉にもローマを帝政に変えてしまった人物としても知られている。

ブルータスは当初はカエサルと敵対していた。

ローマの内乱ではブルータスは反カエサルの軍に参加していた。

だがカエサルは内乱に勝利した後にまだ若かったブルータスを許し、ガリア総督に任命して重用した。

カエサルはブルータスに信頼を寄せていたのだ。

ブルータスもその後はカエサルを信頼し、敬愛していたが、カエサルが終身独裁かんの地位についてしまったことから事態は大きく変わることになる。

カエサルはその権力を大きく利用し、事実的な王になってしまったために、共和制が脅かされることになってしまったのだ。

次第にカエサルを殺そうという声が出てきて、暗殺計画が立てられた。

そして、共和制ローマを作った男の子孫であったブルータスにも声がかけられる。

ブルータスは自身の地位を上げてくれた恩人であったカエサルを殺すことに乗り気ではなかったが、共和制ローマを守るために、カエサル暗殺を決意する。

ブルータスとその共謀者たちは元老院においてカエサルを切りつけた。

次々と自分を切りに来る暗殺者たちを見てカエサルは生きることを諦めたが、その後さらに絶望することになる。

信頼を寄せていたブルータスが暗殺者の中にいたのだ。

そして「ブルータス、お前もか。」と言い放ってその生涯を終えた。

こうしてカエサル暗殺に成功したブルータスだったが、カエサルを殺したことによって恐れていた事態が起こることになってしまう。

カエサルの死後、いくつかの勢力による内乱が起き、最終的にカエサルの甥であるオクタウィアヌスが独裁権力を握る。ブルータスたち暗殺の実行者はローマを追放される。

追放された先でブルータスはオクタウィアヌスを倒すために連合軍を結成し、

「フィリップの戦い」においてオクタウィアヌスと対峙するが、敗北してしまう。

ブルータスはその後自殺に追い込まれる。

そして、権力を握ったオクタウィアヌスはローマ帝国初代皇帝アウグストゥスとなり、帝政ローマが始まる。

独裁者が生まれることを防ぐためにカエサルを殺したことで、皇帝が誕生してしまった。

共和制を守るために恩人を暗殺したブルータスの最後は悲劇的なものであった。

参考書籍


1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 人物編 [ デイヴィッド・S・キダー ]

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